今の地球温暖化の問題や、人類の未来、地球の価値について、まったく別な視点で考えてみました。この機会にご一緒に考えてみませんか。

Ⓒ2023 児玉春信

第七宇宙(今の宇宙)を創造した神界の精霊党党首であり、神界の総理でもあるウルトラエンゼル総理神のもとで、精霊党はすべての天体の売買を行う「全宇宙天体オークション場」を運営していました。大きくは銀河、小さくは惑星までが出品されていたのです。すべての天体の登記が精霊党の運営する「全宇宙天体登記簿所」で管理されていました。その天体登記簿所は、全宇宙の銀河等を所有する各々の神々から多くの所有権利金が入る仕組みでした。全宇宙の銀河の数は約2兆個でした。星々の数は7セクスティリオン(10の23乗)ありました。「全宇宙天体登記簿所」の配下の組織には、すべての天体の査定をする「全宇宙査定神協会」が存在していました。神界にはすべての銀河、星々の査定額が「全宇宙査定神協会」から公表されていたのです。

「全宇宙天体オークション場」では全宇宙の銀河等の所有権を持っている多くの神々が参加していました。神々のテーブルのパソコンには出品された銀河等が紹介されるのです。そしてパソコンの数字のボタンを押して、各々の神々が希望する金額が「全宇宙天体オークション場」の大きなスクリーンに掲示されるのです。最初の金額は「全宇宙査定神協会」の査定額から始まります。最後に落札した神に所有権が移ります。所有権変更には、前所有権神が、所有権譲渡書にサインをして、所有権解除しなければなりませんでした。新所有権神はその譲渡書を持って精霊党が運営する「全宇宙天体登記簿所」で正式な手続きによって、所有権利証が発行されたのでした。

ある日、アンドロメダ銀河が出品されました。この銀河は人気があり、多くの神々が希望額を押し続けました。そして最後に落札した神は精霊党を支持する全宇宙不動産王の「カネアマリ神」でした。

この全宇宙の中で一番人気がある銀河は「天の川銀河」でした。天の川銀河の所有神は「カネダイスキ神」でした。この神は以前持っていた一つの銀河に突如異変が起こり、その管理責任を問われていました。そして、その銀河の中の恒星のすべての所有権神に多額の賠償をしなければならなくなったのです。その賠償をする原資として天の川銀河を売ることにしたのでした。カネダイスキ神は、本当は売りたくありませんでした。なぜならば、この銀河には、太陽系に地球という惑星があったからでした。この地球は神々に人気がありました。その理由は多額の惑星所有権利金を稼ぐことができたからです。しかし、そういっていられなくなったので、やむなくオークションに出品することになりました。

しかし、いざ出品してみたら大きな変化が生じていました。それは天の川銀河の査定が大幅にダウンしていたのです。このことに大きなショックを受けたカネダイスキ神は、その理由を「全宇宙査定神協会」に問いただしました。そして帰ってきた答えは「実は、今この天の川銀河の中の地球の査定が大幅にダウンしてしまい、天の川銀河全体にその影響が及んでいる」とのことでした。この答えにカネダイスキ神は納得がいかず、「全宇宙査定神協会」に猛抗議しました。そしたらそこの協会の査定責任神から、後で詳細を説明するとの返事がありました。

その返事の内容は「実は地球は人類の登場によって価値が下がってしまったのです。人類の登場によって産業革命というのが起こり、それからというものすさまじい勢いで工業化が進み、約46億年かけて形成してきた多くの資源が減少してきたのです。狩猟や農業中心の時代は地球の価値はあったのです。しかし、工業化によって資源が人類によって食い荒らされてしまったのです。人類が食っていく手段が、人為的な工業生産になり、自然から離れてしまったのです。工業生産によって生まれた商品を売買して食っているのです。人間はより豊かさを求めて商売をして、金儲けし、人よりいい生活をしたいために頑張るようになったのです。それが地球全体に及んでいるのです。今後もそれは進んでいくと思われます。それによって益々海も汚染され続けています。そのために地球の価値は下がり続けているのです。人間の知恵によってもたらされた様々な便利なモノが、実はどんどん地球の価値を下げてしまったということです。地球の地下に眠っている資源は今後もどんどん消費されて、地下に戻されることはありません。そのため地球の内部がスカスカになり、もとに戻りません。今、人間は地球温暖化が始まり、ようやく化石燃料の消費がもたらす二酸化炭素による大きな災害に気付き始めました。そして、何とかしようという話が持ち上がっていて、いろいろ話し合いが始まっています。しかし、人類の我欲によってなかなかまとまりません。一部の地域では大国が戦争を始めたりしています。また、それぞれの国の政治的立場等による違いで、益々人類は格差と分断が進行しています。そのため地球には明るい材料がないのです」というものでした。それを真面目に聞いていたカネダイスキ神は「そうだったのですか。残念だ。そうすると人類の各々の主張が違うために一つにまとまらないということですね。困ったものだ」と言いました。

そのことを聞いた「全宇宙査定神協会」の査定責任神は「どっちみち、人類は最後には大喧嘩します。そして勝った方が主導権を握り、新しい時代を築いていきます。人類の歴史はそうなっています。人類の本質はそんなに急に変わることはないと思うのです。もしかして、人類は大喧嘩をして、最後に頭にきて、核戦争よって滅亡するかもしれません。そんな危険性もあります。もし、核戦争が起こり関係した国々が滅亡した場合、生き残ったわずかな人類が、今までのやり方を反省して新しい人類の歴史を創っていく可能性もあります。しかし、今、そのことを地球の査定の中に入れることはできないのです。査定は今現在を中心に考えて実施します」と言ったのです。

それを聞いたカネダイスキ神は「こまったなぁ、地球の査定が低いと天の川銀河の査定も下がって賠償金を支払うことができない。どうしたらいいものかなぁ」と言いました。それを聞いていた「全宇宙査定神協会」の査定責任神は「精霊党の党首のウルトラエンゼル総理神に相談してみたらどうですか?」と言ったのです。すかさずカネダイスキ神は「それは良いアイデアだ。早速相談します」と言いました。そして急いで精霊党の本部へと向かったのでした。

腹が減ったらおまんま、精神はプラスエネルギーキャラ軍で元気!

精霊党の本部に着いたカネダイスキ神は、ウルトラエンゼル総理神と面会することになりました。カネダイスキ神は「全宇宙査定神協会」の査定責任神とのやりとりの詳細をウルトラエンゼル総理神に報告しました。そうすると総理神は「話はだいたい分かりました。それでは全宇宙銀行総裁に私から今の話をそのまま伝えます。そしてその銀行から賠償金に見合う融資をしてもらいます。担保はカネダイスキ神が所有している10個のすべての銀河です。それを決断してもらえれば天の川銀河を手放さなくても賠償金は支払うことはできます。私が話せば100%融資は大丈夫です」と言ってくれたのでした。それを聞いたカネダイスキ神は「それはありがたい。融資さえしてもらえれば、何とか時間を稼いで今後のことを考えられます。そのように手続きをさせてください」と喜んでウルトラエンゼル総理神に言いました。それを聞いたウルトラエンゼル総理神は「ただ、一つ注意してください。実は悪霊党の党首のデビルサターン神がフェイクニュースをSNSで流してあなたの融資を妨害するかもしれません。これには最新の注意が必要です。精霊党の本部でフェイクニュースのチェックをしていますが、神材不足でなかなかフェイクニュースを発見できません。努力はしていますが、なにとぞ許してください」と言ったのです。それを聞いていたカネダイスキ神は「まったくデビルサターン神はどこまでいっても悪を働くのですね。総理神、何とか退治できないのですか?」と言いました。するとウルトラエンゼル総理神は「今、全宇宙検察庁で徹底的に悪の罪状の証拠をかき集めています。何とかなるかもしれません。しかし、今すぐに何とかなる場合ではありません。しばらく辛抱してください」と言ってくれたのでした。それを聞いたカネダイスキ神は一安心したのか、ほっとした様子で「何とか、デビルサターン神を逮捕して起訴まで持っていけたらいいですね」と言いました。そして「人類は知恵があるのだから核戦争だけは避けてもらいたいものだ。そうでないと地球が放射能で汚染され、査定はゼロになってしまう」とウルトラエンゼル総理神に言って、精霊党の本部を後にしたのでした。

終わり