神々の精霊党と悪霊党の宇宙創造の物語。精霊党が提出した「ビッグバン・スイッチオン法案」は果たして可決されるのか? 精霊党党首は「ウルトラエンゼル総理神」。悪霊党党首は「デビルサターン神」です。

このお話は、今私たちが見ている宇宙の誕生のビッグバン(今から約137億年前に起きた大爆発)が起きる一ヶ神時(神々の世界では人間界の一ヶ月は一ヶ神時)前の神々の攻防を描いたものです。

新しい価値を創造していくための第一歩は既成概念を打ち破ることです。商品開発、社会や経済等の新改革はいかにして既成概念を打ち破るかにかかっているのではないでしょうか。この物語は宇宙創造の新説として考えた物語です。「常識は常に疑え。」これが新発想を生むヒントを与えてくれます。新発想が新時代を切り拓くのです。

 昔々、そのまた昔のそのまた昔、今からなんと約137億年前、まだ宇宙創造の始まりのビッグバン(大爆発)が起きていない神々の世界に、無数の創造神が存在していました。神々の世界の政冶形態は神主主義をとっていました。そんな中で全神会議員の総選挙が行われたのです。最大の争点は第七宇宙(今のわれわれが見ている宇宙)を創造する(地球から余りにも遠い9000億兆光年かなたに神々は第一宇宙から第六宇宙までをすでに創造していたのです)ビッグバンのスイッチを押すかどうかでありました。総選挙の結果、そのスイッチを押すことに賛成している精霊党(全宇宙の善の心を支配している神々の集団)は定員301神に対して151議席を確保していました。かろうじて与党として過半数を維持することができたのです。党首はウルトラエンゼル神でありました。それに対してスイッチを押すことに反対している野党の悪霊党(全宇宙の悪の心を支配している神々の集団)は残りの150議席を確保して大躍進したのです。党首はデビルサターン神でありました。まさにその差は超僅差の1議席。勢力は超拮抗していたのです。そんな中、第2兆1000億回通常全神会が一ヶ神時の会期で、全神会議事堂で今開かれようとしているのです。まず、総理神に指名された精霊党党首ウルトラエンゼル神の「所信表明演説」から始まったのです。

ウルトラエンゼル神の所信表明演説が始まりました。「このたび総理神に指名されたウルトラエンゼルです。よろしくお願い申し上げます。われわれの世界を取り巻く勢力は益々厳しさを増してきています。過去第一宇宙から第六宇宙までを創造してきましたが、すでに第一から第三宇宙が悪霊党の支配下になりました。このままではわれわれ精霊党は、じり貧に追い込まれることは必至であります。われわれはシェアー拡大のために何としても、今こそ積極的に新しい第七宇宙(今の宇宙)を創造し、シェアーを拡大していかなければなりません。そのために精霊党はこの全神会にビッグバン・スイッチオン法案を提出いたしました。徹底した議論をしていただきたくお願い申し上げます。次に財政問題ですが、この問題は引き続き財政健全化のため、聖域なき構造改革を積極的に推進し、かつ徹底したコスト削減を図ってまいりたい所存であります。各関係神々のいっそうのご協力を引き続き賜りたいと思っています。次に教育問題ですが、この問題は特に力を入れていきたいと思っております。具体的には「神々教育基本法」を3000億神年ぶりに初めて見直したいと思っております。

昨今の教育現場によるいじめは目を見張るものがあります。そのために神を廃業するものが後を絶ちません。重要な問題と受け止めています。この問題は特命大臣神のポストを新たに作り、問題解決に向けて積極的に対応していく所存であります。皆様神々のご協力をよろしくお願い申し上げます。簡単ではありますが所信表明演説にかえさせていただきます。ご拝聴ありがとうございました」。と総理神の演説が終わったのです。すかさず、議長神はこの演説に対しての質議を始めることにしました。野党党首デビルサターン神が最初に指名されました。指名されたデビルサターン神は「このたびの総理神ご就任おめでとうございます。さっそくですが、今回のビッグバン・スイッチオン法案に対して質問させていただきます。われわれの悪霊党がようやく第三宇宙までを支配して、われわれがそっちに全力投球しているときに、その隙を見て、すかさず別な宇宙を創造することは少々拙速過ぎないでしょうか。まずこれが第一点です。次に超高性能神界コンピューターで約137億年先までのシュミレーションした結果、ビッグバンが起きてから約17億年後に誕生する天の川銀河の中に、天の川銀河が誕生して約70億年後に誕生する太陽系の中の地球という惑星は、将来人間が支配するようになります。そしてその人間はどんなに悲惨な戦争を何回も経験しても、いっこうに争いをやめようとしないことが分かっています。これはわれわれが勝利することが分かっていることを示すものと考えます。そんなことが分かっているのに新たなる宇宙を創造することは、予算の無駄遣いのなにものでもない、と申し上げたい。この二点の質問について総理神のご見解をお聞きしたいと思います。」と質問したのである。

それに対してウルトラエンゼル総理神は「まず、第一の質問のことですが、あなたたち悪霊党の支配が益々拡大している今、手をこまねいていては宇宙全体が大変なことになって手遅れにならないようにしたいのです。そのために急ぐ必要があるのです。悪や罪がはびこってしまってから対応していたのでは遅いのです。悪や罪は恐ろしいほどの魅力を持っており、それに誘惑されてしまうと、なかなか抜け出せない問題を持っています。本来、この宇宙に存在している悪の心は、最初、長期間はびこるのですが、だんだんと様々な痛い思いなどを経験して善の心へと向かうのです。ですから新しい宇宙を創造し、善の心をできるだけ早く広げていかなければなりません。おそらく超高性能神界コンピューターのシュミレーションの結果、その地球には多くの聖者が誕生することを予想しています。

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そしてその考え方の影響を受けた多くの人間が善の心を持つようになると思うのです。しかし、中には聖者の考え方を悪用して、世の中を自分たちの思い通りにするために人心を惑わす不届き者も現れます。しかし、人間はそれらのものと戦って勝利し、多くの人の努力によってだんだんと地球から争いをなくすことに成功すると考えます。しかし、争いがなくなるまではいろいろなことが起きると考えられます。確かにいろいろなことが起きるリスクはありますが、われわれとしてはそんなことに恐れず、ひるまず、立ち止まらず、確実に法案を通し、確実に法案内容を実行していく所存です。野党の主張する拙速はそのような理由から当たらないと考えます。次に予算のことですが、われわれは有効な問題に対しては積極的に予算を執行していきたいと考えております。良いと思われる政策にはどんどんお金を使っていきます。野党の主張する無駄遣いにはあたりません。」と与党のウルトラエンゼル総理神はきっぱりと答弁したのです。このようないろいろな議論が全神会で一ヶ神時繰り返されました。そして最終の質問が野党から出されたのです。

それは「約137億年後の地球に核戦争が起きるかどうかのことを超高性能神界コンピューターでシュミレーションした結果、性能の限界でそこまでたどり着くことができませんでした。われわれ悪霊党はおそらく核戦争が起きて、人間は滅びると考えています。そしてわれわれ悪霊党が支配する惑星となると確信しています。わざわざそんなことになってしまうのが分かっているのにビッグバン・スイッチオン法案を通すことはできません。われわれは廃案に追い込みたいと思っております。ウルトラエンゼル総理神のご見解をお聞きしたい。」というものでした。総理神の答弁は「私は、結論からいって、恐らく核戦争は起きないと考えます。その一歩手前までは行くかもしれません。しかし、人間の英知を結集して戦争にはいたらないと考えています。なぜならば核戦争をしたのでは自分たち全員が滅びることを知っているからです。人間はそんな馬鹿ではないと考えます。そして良い材料としては、人間は学習する知恵を持っているということです。

確かに人間の行動をシュミレーションしてみると、戦争による殺し合いの歴史を確認できます。しかし、その戦争の結果、反省を繰り返し、みんなで話し合いをしなければならないことにも気付いて、現実に多くの国際組織も作ったことも確認できます。これは明るい方に行っている証拠です。ですから、これに関しては特に問題ありません。問題があるとすれば、むしろそれ以上に恐ろしいのは二酸化炭素による地球温暖化問題です。」と答弁しました。悪霊党は会期延長を主張しましたが精霊党は受け入れず、結局もめにもめて強行採決となりました。結果、悪霊党から三神造反者が出て、ビッグバン・スイッチオン法案は賛成154票、反対147票で可決し、その直後、ウルトラエンゼル総理神によってビッグバンのスイッチが点火され大爆発が起こり、今の宇宙が創造されました。そんなわけで、今私たちがこの宇宙の中に存在しているのです。そして精霊党と悪霊党の二つの二大勢力がこの地球で毎日毎日激しく戦っているのです。それは毎日のテレビ、ラジオ、インターネット、新聞などのニュースで確認することができるのです。  おしまい

あなたは精霊党を支持しますか。それとも悪霊党を支持しますか。それによってあなたの生き方も大きく違ってくることになるでしょう。

なぜ人類に「善」と「悪」が存在しているのか? その答えはこの物語で明らかになります