昔々、そのまた昔、陸の神様と海の神様がこの地球の表面積の分捕り合戦をしていました。陸の神様は「この地球は全部わしのものだから、おぬしはこの地球から出て行ってくれ!!」などと、乱暴な言葉で海の神様に言っていました。海の神様も「いや、いや、陸の神様どん、この地球は全部、私のものだから出て行くのはあなたのほうです!!」と、負けずに言っていました。毎日毎日お互いに一歩も譲らず、こんな調子で何億年も争っていました。

 こんなことを争っている報告を受けた、この地球から9000億兆光年離れている神界の、精霊党党首ウルトラエンゼル神(No1. 宇宙創造の神々の攻防参照)は「こんなことでは、いつまでたっても収拾がつかん。私が地球に行って仲介しなければならん。神界瞬間宇宙移動マシーン(略してSSUIM)で今すぐ、地球に行く。」と、いいました。側近はあわてたのですが、ウルトラエンゼル神の意思は固く、考えが変わる様子は見受けられなかったので、すぐにSSUIMを用意しました。そして、ウルトラエンゼル神は、それに乗って地球へと向かったのです。実は精霊党は、天の川銀河(太陽系がある、わたしたちが見ている銀河)の中心部に「神界宇宙問題発見探査衛星((略してSUMHTE)」を配置していたのです。ですから地球におきている問題を逐次報告を受けることができたのです。

 瞬時に地球にやってきたウルトラエンゼル神は、すぐに仲介に入りました。「まあぁ、まあぁ。両神様、まずは頭を冷やしてください。ここは一つ、私に任せませんか。」と、ウルトラエンゼル神は切り出したのです。それを聞いていた陸の神様は「はろばる、こんな宇宙の片田舎の地球まで来ていただいてありがとうございます。わしは別に問題はありません。」と、言いました。海の神様は「私も特別に問題はありません。」と、以外と素直に言ったのです。するとウルトラエンゼル神は「ご了解いただいて助かります。はるばるこの地球にやってきたかいがありました。」と、言いました。するとすぐに、陸の神様が「ウルトラエンゼル神様、いったいどんな和解案をお考えですか。」と、言ってきたのです。ウルトラエンゼル神は「ここは平等に五分五分ということでどうでしょうか。」と、言いました。すると陸、海、両神様はいっせいに「とんでもないことです。だれが半分半分で決着するものか。」と、反発しました。これにはウルトラエンゼル神も頭を抱えてしまいました。そして最初からこんな状態で、はたして話がまとまるかどうか心配になりました。そして、しばらく考えていたウルトラエンゼル神は「それでは、両神様のご希望をお聞きしたいと思います。まず、陸の神様のご希望は?」と、言いました。陸の神様は「そうだなあ。わしは最低8割もらわないとだめだなあ。」と、言いました。続けて、海の神様も「私も8割もらわないとだめです。」と、言ってきたのです。これを聞いたウルトラエンゼル神は「お前たちはどうしてそんなに欲が深いのだ。まったく困ったものだ。」と、つぶやきました。そして続けて「実は陸の神様どん、これから話すことは、最後の切り札にしよう、と思っていたが、お前たちの話を聞いていると、まったくまとまる可能性はない、と考えざるを得ないので、ここで話すことにする。」と、言いました。陸の神様は「いったいそれはどういう内容ですか。」と、聞いてきました。ウルトラエンゼル神は「実は、超高性能神界コンピューター(略してTKSC)で地球の未来をシュミレーションしてみたら、この地球は、将来人間という動物が誕生し、陸に住むようになる。そして、その人間は自分たちの生活を豊かにするために、地球世紀18世紀の産業革命以来この地球の資源をどんどん使う。特に石油や石炭の化石燃料を大量に消費してしまうのだ。そして人間の人口は減るどころか益々増えていくのだ。こんな状態になることが分かっているのに、陸を多くお前に与えてしまうと、人間は益々開発を進め、この地球をだめにする可能性がある、ということなのだ。それに加えて人間は、様々な国を創ることも分かっている。そして、そんな国を創ったばっかりに、人間の悲劇が始まるのだよ。それは土地(または領土)をめぐる争いだ。人間は「土地」というのが好きで、そのためには戦争をしてでも自分の国の土地にしたいのだ。そしてこの戦争で多くの人間が死ぬ。だから私はお前にあんまり多くの陸を与えたくないのが正直な気持ちだ。もし仮に、陸を多くお前に与えたらTKSCのシュミレーションで見たこと以上の争いが、人間の世界で起きることは間違いないだろう。だから2ないし3割程度がちょうどいいのではないか、と考えているのだ。」と、言いました。すると陸の神様は「ウルトラエンゼル神様のいうことだから、そのことは間違いないと思いますが、何ともさびしい数字だなあ。」と、言いました。そして、それを聞いたウルトラエンゼル神は「それにな、陸の神様どん。人間は海の魚や海藻、貝なども食料にすることが分かっている。もし仮にお前に陸を多く与えてやると、海の中の魚や海藻などの資源は人間が食い尽くして、すぐになくなる可能性が大きくなるのだよ。少し海を広く確保しておかないと、大変なことになるのだ。ここのところを分かってもらいたいのだ。」と、言ったのです。それを聞いた陸の神様は「うーん。うーん。そうか。そんなことになってしまうのか。」と、深刻に考え込んでしまいました。ウルトラエンゼル神は、続けて陸の神様に「まだあるのだよ。将来人間は、この地球の化石燃料を燃やして生活するために、二酸化炭素が増えすぎて地球温暖化問題を発生させてしまうのだ。二酸化炭素は温室効果があるので、この問題はなかなか難しい問題になってくるのだよ。この問題は人間の欲望と深く関わっているのだ。工業化のスピードが早いか、遅いかによって先進国、後進国に別れ、それぞれ競争し、自分たちの国を豊かにしていくのだ。しかし、ようやく工業化に目覚め、これから豊かになっていこうとしている後進国は、この地球温暖化問題に消極的になるのだ。そして中には先進国なのに、自国の利益を優先して、この問題に消極的な国も現れるのだ。どんなに多くの国が、地球温暖化問題に積極的に関わっていこうと思っていても、この問題に消極的な一部の大きな国々が協力していかないと、焼け石に水、ということになりかねないのだ。こんなわけで、とんでもないことになっていくのだよ。だから陸の神様どん、3割で手を打ってもらえないだろうか。」と、言ってきたのです。それを聞いていた海の神様は「へぇー。地球は将来そんなことになるのですか。考えさせられました。そうすると、今のウルトラエンゼル神様の案だと、私は7割ということになりますね。まあ、悪くはありませんので、私は賛成です。」と、まず海の神様が言ったのです。すると陸の神様は「今の話を聞いて、あんまり陸を多くすると、とんでもないことが待ち受けていることが分かった。仕方ないが、わしもこの案に賛成する。」と、言ったのです。それを聞いたウルトラエンゼル神は「よし、これでまとまった。あとで、なんだかんだと問題を起こしてはだめですよ。」と、両神様に念を押したのでした。

 そして最後に陸の神様が「ウルトラエンゼル神様、もし仮に将来人間が地球温暖化問題を軽く考えて、一丸となって解決出来なかった時はどうするお考えですか。」と、聞いてきました。ウルトラエンゼル神は「そのときは、陸を全部なくして、この地球を海だけにしてしまうよ。」と、言って、9000億兆光年離れている神界にSSUIMで帰っていきました、とさ。   おしまい

こんな、いきさつで、地球の陸と海の割合は、陸が3割で、海が7割になりました。