開催日:2005年3月10日
会 場:日本国上野動物園
議 題:「人間の愚かさ」について

各大陸代表者

アフリカ大陸代表・・・・・・ライオン大統領
ユーラシア大陸代表・・・・・トラ大統領
北アメリカ大陸代表・・・・・バッファロー大統領
南アメリカ大陸代表・・・・・クモザル首相
オーストラリア大陸代表・・・カンガルー首相
議 長・・・・・・・・・・・ライオン大統領

議長・・・これより第一回世界五大陸代表動物サミットを開催します。今回の議題は「人間の愚かさ」についてであります。
自由討論形式でおこないます。自由にお話し下さい。

トラ大統領・・・「まったく、人間は何を考えているのか最近まったくわからなくなったよ」。

カンガルー首相・・・「そんなことは今にはじまったことではないでしょう」。

バッファロー大統領・・・「なんでも、うちのじいちゃんから話しを聞いたところによると、60年前に、日本という国に、ある国が、核爆弾を2発もおとして何の罪もない人々を何十万人もいっぺんに殺傷したそうだ。それだけではなく、その国のほとんどの主要都市を飛行機とやらの空飛ぶ鳥みたいな機械で、爆弾をつんで、上からおとして、多くの建物を破壊し、多くの何の罪もない人々をこれまた殺傷したそうだ。今日3月10日は60年前に、日本の首都である"東京"に多くの焼夷弾がおとされた日でもあるのだそうだ。東京は、焼け野原となり、多くの人々が死んだそうだ。本当にかわいそうだ」。

クモザル首相・・・「何でもそういうことを"戦争"というそうだ。国と国が"戦争しましょう"といって合意してやるか、一方が、勝手に攻めていけば、戦争になるそうだ。この戦争というのは、何の罪もない人々を殺傷してもいいんだそうだ」。

ライオン大統領・・・「いやー。たまげたもんだ。そりぁーないだろう。わしらが、一人でも人間を殺傷すれば、人くいライオンなどと言われ、すぐに人間に銃でうちころされてしまうではないか。人間が人間を何十万人も、いっぺんに殺傷しても、なにもされないとは、不平等じゃあ」。

トラ大統領・・・「なんでも、最近"テロ"なんかというものが、はやっているという情報が入ったよ」。

クモザル首相・・・「なんだいそれは?」。

トラ大統領・・・「なんでも、自分達の考えが絶対で、他の考えを否定してしまって、自分達のいうことを聞かせようとして、体や、自動車に爆弾をまいたり、積んだりして、何の罪もない人々の中につっこんでいって爆弾を爆発させて、多くの人々を殺傷してしまうことを"テロ"というんだそうだ」。

クモザル首相・・・「いやぁーたまげたもんだ。何でこんなことをするのかね。わしにはわからん。そんなんだったら、下を指揮している一番上のトップが爆弾をまきつけてつっこんでいったらええんじゃ。きっと下のものを洗脳か何かして、下の人間をつっこませているんじゃろー」。

トラ大統領・・・「人間は、自分達の考えが、絶対に正しいと過激に思いこんで、他を否定してしまうんじゃ。考えが正しいと主張するのは自由なんだから、他の考えを否定するのではなく、肯定して認めあえば、こんなことにはならないのにねぇー」。

カンガルー大統領・・・「そう考えれば、こんな情けないことはおきないんじゃよ」。

バッファロー大統領・・・「それでいつも、犠牲になるのは何の罪もない人々ばかりじゃあないか。そんなばかなことがあるか。人間は、自分達が何をしているのかよくわからないみたいなんじゃよ」。

ライオン大統領・・・「そこなんじゃよ。そこが人間の愚かなところなんじゃよ」。

カンガルー首相・・・「でも人間は、この地球上で一番頭がよくて、一番偉くて、一番賢いと自負しているみたいですよ」。

クモザル首相・・・「そこなんじゃよ。こういう生き物には、手がつけられん。つける薬がないんじゃよ」。

トラ大統領・・・「人間は、自分たちを滅ぼすことのできる核爆弾をたくさん所有してるんだ」。

ライオン大統領・・・「そこなんじゃよ。人間のわからないところは。我々にはまったく理解できないところがあるみたいじゃあ」。

バッファロー大統領・・・「我々は、必要以上に、食料をとらないという原理原則を先祖代々守ってきているわけだが、人間の欲望は計りしれないものがあるよ。そもそも、その辺から、様々な問題が発生してるんじゃあないか?」。

トラ大統領・・・「わしの先祖様からのいいつたえによると、あんまり欲をだすと身を滅ぼすという考えがあるでのー。人間も将来あぶないかもしれんでのー」。

バッファロー大統領・・・「まったくだ。人間は自分達のことがよく見えていないのじゃよ。気がついたときは、もう遅いかもしれんなあー」。

ライオン大統領・・・「そうそう。最近のニュースで人を殺傷しておいて、何でやったのか自分でもわからないという人間がでてきたんで、こういうのが多くなってくると、バッファロー大統領が、今言ったようなことになるかもしれんのー」。

バッファロー大統領・・・「人間が我々より"愚か"ではないか。ということは、少しわかってきたが、人間も馬鹿ではないだろう。人間には、我々にはない"知恵"と"知識"をもっているでよ。何か、解決していくように思うがよ」。

クモザル首相・・・「人間がうまく解決していくと、我々の天下は遠のくなあ。解決しないで滅んでもらった方が、かえってこの地球は、いいではないかい。二酸化炭素による、温暖化問題、人口問題、自然破壊、公害問題等々、地球がかかえている問題がいっぺんに解決しないかい」。

トラ大統領・・・「そりあそうなんだが、人間もその辺はわかっているので、電気自動車だの、何々だの、いろいろ考えているみたいだ。人間は、経済効率という、我々にはわからないことを優先するんで、そのことにとらわれて、間に合えばいいけどなあー」。

ライオン大統領・・・「そろそろ、意見も出つくしたかんがあるので、ここで共同声明をトラ大統領よりまとめてもらえますか」。

トラ大統領・・・「議長、ご指名にあずかり、光栄です。第一回五大陸代表動物サミットとしては、今回の"人間の愚かさ"についての共同声明の内容は下記のようにさせていただきます」。

共同声明

人間は今、愚かに見えているが、希望もある。それは愚かな人間だけではなく、本当に将来のことを心配して努力している人々が大勢いるのも事実である。
人間も、動物たちの原理原則に少しずつ近づき、"自然"というかけがえのないものの中の一員であることを自覚して改善していくならば、大いなる将来も開けてくると思われる。
しかし、どうしても、戦争やテロ、紛争がしたいものは、どこかの大きな砂漠で、関係者だけで、戦って決着していただくことを提言する。
何の罪もない一般市民を巻き込むことは許されることではない。

ライオン議長・・・「このたびはお忙しいところサミットにご出席いただきありがとうございました。五大陸の動物王国が益々繁栄されますことを願っております。これをもって閉会とさせていただきます」。

※一部、出身地区の"方言"になりましたことをお許し下さい。

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