神界の大宇宙の銀河では、信じられないかもしれませんが、目には見えない戦いが繰り広げられているのです。それも地球の人間界の流れと似たような現象が起きているのです。高度な意志を持ったモノの宿命なのでしょうか。神界での最大の兵器は「ビッグバンエネルギー銀河破壊波動爆弾」です。これは一つの銀河を一瞬にして破壊できる兵器です。尚、この短編物語はフィクションです。

地球歴の西暦20221月に、この大宇宙の神界の銀河では2兆個の銀河が、神々の政治体制の違いにより大きく二つに分断してしまいました。過去の様々な大きな戦いによって下記のように集団安全保障体制が確立される結果となりました。

各銀河連合の安全保障条約機構

  • 「北宇宙銀河条約機構」のグループ・・・長い時間の中で苦い経験を通してたどり着いた、神界の固有の価値観である自由、神主主義、法の支配、一方的な力による現状変更の禁止を主張している。

No.1 ヨーロピアン帝神国銀河連合・・3,000億個の銀河集団

総責任者・・・ストーンヘルガ総裁神

No.2 ノースアメリゴ帝神国銀河連合・・4,350億個の銀河集団

  • 神界の「ビッグバンエネルギー銀河破壊波動爆弾」大量所有連合
  •  安全保障会議における拒否権あり

総責任者・・・セールデン総裁神

No.3 サウスアメリゴ帝神国銀河連合・・2,500億個の銀河集団

総責任者・・・ブラガル総裁神

⦿ この機構の議長・・・上記のNo.2のセールデン総裁神

「南宇宙銀河条約機構」のグループ・・・専制神主義を主張している。

No.1 ロシン帝神国銀河連合・・2,950億個の銀河集団

神界の「ビッグバンエネルギー銀河破壊波動爆弾」大量所有連合

  • 安全保障会議における拒否権あり

総責任者・・・プータン総裁神

No.2 中火帝神国銀河連合・・6,700億個の銀河集団(神界最大の連合)

総責任者・・・周銀崖総裁神

No.3 アフリゴ帝神国銀河連合・・500億個の銀河集団

総責任者・・・ガレンスキー総裁神

⦿ この機構の議長・・・上記のNo.1のプータン総裁神

全宇宙の安全と平和を維持するための組織

宇宙銀河連合神界秩序維持連盟(略して「全銀秩維連盟(GTR)

連盟事務総長・・・ギテレシ事務総長神

常任理事連合・・・北宇宙銀河条約機構のすべての連合

         南宇宙銀河条約機構のすべての連合

以後は「帝神国銀河」を省略します。

大連合が弱小連合に軍事侵攻する

上記のようなグループに全宇宙の銀河は分断しましたが、なんとか秩序を保っていました。しかし、以前から「南宇宙銀河条約機構」に属していたアフリゴ連合で革命が起きて、プータン総裁神のいきのかかった政権は倒れ、神主主義の政権に変わってしまったのです。その結果、その政権が「北宇宙銀河条約機構」に入りたいと主張してきたのでした。その主張に対してはロシン連合のプータン総裁神が危機感を持って断固として反対しました。というのもアフリゴ連合は長い間ロシン連合の一部として編入されていたのです。そのために南宇宙銀河条約機構を裏切って北宇宙銀河条約機構に加入することは絶対に認められなかったのです。そしてアフリゴ連合の一部地域でロシン連合に再度編入したい派と、編入反対派との間で小規模な紛争が絶えなかったのです。なかなか決着がつかず、この問題が両連合の頭痛の種となっていました。

ところが、地球歴西暦2022224日に「ビッグバンエネルギー銀河破壊波動爆弾」を大量所有しているロシン連合のプータン総裁神は、弱小連合であるアフリゴ連合へ突如軍事力で侵攻したのです。プータン総裁神はこの侵攻を「特別軍事作戦」と発表したのでした。プータン総裁神は圧倒的な軍事力を持って侵攻するので、相手はすぐに降参すると見込んでいました。

この侵攻は全宇宙の神界にまたたく間に伝わりました。この事実を知った精霊党党首のウルトラエンゼル神は、ノースアメリゴ連合のセールデン総裁神にメールを送りました。内容は「このたびはとんでもないことが起きてしまいました。GTRで全宇宙の平和と安全の確立のための秩序維持に責任を担っているロシン連合のプータン総裁神が、弱小連合のアフリゴ連合へ軍事侵攻しました。ただただ驚きです。信じられません」というものでした。そのメールを受け取ったノースアメリゴ連合のセールデン総裁神は「こちらとしては、侵攻する確率はないわけではないと考えていました。当連合の偵察衛星でそんな動きをキャッチしていたのです。ただ、それは脅しに使うポーズではないか、とも考えていました。実際に侵攻する確率は低いと見ていたので驚きです。いったい侵攻する大義は何なのか、まったく分かりません。ましてや、GTRの常任理事連合であるにもかかわらず、自ら秩序を乱すとは。まったく責任ある常任理事連合のやることではありません。人間界の言葉でいうならば大人が子供に喧嘩を売ったようなものです。今後のことが心配でなりません」という内容文を返信しました。これを拝見したウルトラエンゼル神はGTRに全宇宙安全保障理事神会の要請をしたのでした。

全宇宙安全保障理事神会始まる

そんな要請を受け取ったGTRのギテレシ事務総長神は全宇宙の各連合にその招集をかけたのでした。その招集を受けた各連合の代表理事神が続々とGTRに集まりました。そしてギテレシ事務総長神は、今回のロシン連合の侵攻を強い言葉で非難しました。続いてこの理事神会において非難決議を採択することになりました。しかし。結果はロシン連合の代表理事神が拒否権を発動して採択することができませんでした。

全宇宙戦略研究所がプータン総裁神の精神分析を開始

全宇宙の神々がどんなに考えても理解できない行動を取ったプータン総裁神の精神分析を全宇宙戦略研究所が実施することとなりました。誰からも非難されるこのような暴挙をなぜ実行したのか。まずはこのことが焦点となりました。その結果、全宇宙戦略研究所が出した結論は以下のようにまとめられました。

彼が持っている、何事にも固執する性格から出発している。

固執は寛容を拒否し、大局観を喪失させる。

強いリーダーの条件が「問題解決に暴力を使うことに躊躇(ちゅうちょ)しないこと」として頭に入っている。要は暴力を使うことが強いリーダーの条件だ、という信念を持っている。

以前にアフリゴ連合の一部の銀河を強制的に編入した時、さほど大きな非難が全宇宙の神界から起きなかった。このことで「ビッグバンエネルギー銀河破壊波動爆弾」を大量所有していることが神界を黙らせる大きな力になることを実感した。

全宇宙の神界がノースアメリゴ連合主導の価値観で大きく動いていることに面白くなかった。

残り少ない人生の中で、ロシン連合の中での権勢は今が最高だ。この時期に今の問題を力によって解決し、その事実を連合の神々に見せつけ、全宇宙の神界の中で最も偉大なリーダーの一人として名前を歴史に刻みたかった。

全宇宙の神界のリーダーになるという野望をいだいた。加えて北宇宙銀河条約機構のリーダーとは違う、というところを見せつけたかった。

GTRの信用を失墜させる手前で、軍事侵攻を短期で成功させ、アフリゴ連合の神々から歓迎される姿を描いた。歓迎されればどこからも文句は出ないだろうと高をくくった。それは過去の軍事介入で成功した経験から導き出された。

全宇宙の神界をなめていたところがあった。

以上この8つがまとめられました。このことから全宇宙戦略研究所は一つの結論に達したのです。それはこの戦争は全宇宙の神々の幸福を追求した戦争でもなく、全宇宙の神界の秩序向上のためでもない、ただのプータン総裁神の個人的理由による戦争だ、すなわち、大義なき戦争ということになったのでした。

腹が減ったらおまんま、精神はプラスエネルギーキャラ軍で元気!

弱小連合のアフリゴ連合の一層の結束が決定的になる

最初、多くの通常兵器で一挙に攻め入ったロシン連合の兵士神はアフリゴ連合の多くの一般の神々を虐殺等していきました。この惨状によってアフリゴ連合は降参するどころか益々団結を強め、この連合を明け渡すものかと一層の結束を強めたのです。その神々の兵士神の士気は、ロシン連合の神々の兵士神より、100倍以上のものとなったのでした。こうなったら、戦争は武器が優秀であろうと怖いものなしとなります。相手はその勇ましさに圧倒され、敗走することとなるのです。

北宇宙銀河条約機構のグループがロシン連合への制裁を始まる

今回のロシン連合の侵攻によって、ロシン連合が法もへったくれもない、ただのならず者連合だったことがはっきりしました。これを受けて北宇宙銀河条約機構は一斉に経済等の制裁を実行することを決定したのです。しかし、今、神界で大きな力をつけてきている中火連合が、かげの力となってロシン連合を経済面で援助しているのです。そのため効果が上がらない制裁となってしまいました。また、神界の中ではロシン連合と関係が深いところもあって全宇宙の神界連合は強力な一枚岩とはいかないのが現状なのです。ロシン連合は特にエネルギー関係の資源が多くあり、それを武器に駆け引きしているのです。

北宇宙銀河条約機構のグループがアフリゴ連合に武器の援助を開始

最初に描いたシナリオ通りにいかなくなってきたロシン連合のプータン総裁神は、そのうちに、アフリゴ連合は武器が枯渇して白旗を上げるだろうと考えていました。しかし、雲行きが変わってきたのでした。北宇宙銀河条約機構のグループは武器の援助を開始したのです。これでこの戦争の長期化が決定的になりました。そのためにプータン総裁神は、この戦争を「北宇宙銀河連合との戦い」という意味に変更しなければならなくなったのです。こうなってくると「特別軍事作戦」というわけにはいかなくなってきたのです。戦争の方向性がまったく分からなくなったのです。ただ、この戦争は変なもので、力のあるロシン連合に配慮しつつ、進行していかなければならない戦争となりました。それはことあるごとにプータン総裁神は「ビッグバンエネルギー銀河破壊波動爆弾」の使用を示唆するのです。この爆弾の存在が今までの戦争とは違う空気を作り出しているのでした。

GTRの進歩

悪の所業を繰り返し、多くのアフリゴ連合の一般の神々を殺したロシン連合ではありますが、GTRでは脱会させないのです。むしろ囲い込みます。これによって破れかぶれの行動はとりにくくなります。GTRでは過去の苦い経験からこの囲い込みが生まれたのです。仲間外れをしてしまうと全宇宙を巻き込む最悪の結果をもたらす可能性があるからです。なかには面白くない神々もいたのですが、何があろうとも囲い込み作戦は継続していかなければなりません。その中で問題解決をはかっていかなければなりません。

中火連合の台頭

全宇宙の神界ですさまじい勢いで伸びているのが、中火連合です。自分たちの影響力を及ぼす地域を拡大させるために必死になっているのです。神界の中では覇権を握る競争が益々激しくなっているのです。そのために益々分断は加速しています。一番怖いのがロシン連合と中火連合が本気になって手を結び、神界の主導権を握ることなのです。どっちの政治体制が最終的に天下を取るのか、その天下取り合戦が激しくなってきているのです。変なものでこの競争のおかげで神界は発展していけるのでした。

終わり

未来は分からないが・・・・

国と国が戦争して、殺し合いをします。この時、人間が人間を殺します。国の中では殺人を犯せば罪人として法律によって罰せられます。極刑が死刑のところもあります。しかし、戦争で多くの人間を殺せば勲章がもらえます。すなわち英雄となるのです。国に貢献したとなるのです。今いるこの世界は過去に多くの人間の血が流された結果成立しています。とにかく戦争は血が流れるのです。それも一般の市民と兵士の血が。

人類の歴史は平穏無事ということはありません。必ず何かが起きてきたのです。歴史年表に書き込まれるものはすべて過去のものです。未来年表を人類は書き込むことができません。毎日、世界のどこかで何らかの事故、事件、災害が起きた(過去)ことは書き込めるのと同じように。

もしかしたら将来、戦争で誰かを殺さなければならないことに遭遇するかもしれません。突然事故に遇うのと同じように。何もしていなくても必ず時間は流れていきます。すなわち、世界は動いて歴史が作られていくのです。いつ世界の流れが変わるか分かりません。ある日突然、どこ、どこに核爆弾が落ちた、というニュースを聞くかもしれません。それは明日、交通事故で誰がどこで死ぬかが分からないのと同じように、未来は分からないのです。しかし、未来が最悪な状態にならないために、きょう何をしたらいいか、何を考えたらいいかは分かります。ちょうど生きていくために、きょう何をしたらいいかということと同じです。答えは、きょう働いて未来に餓死しないために、おまんま等生活に必要なモノを確保できるお金を稼ぐことなのです。これが人類の基本です。